第20回東海大会 討論会プログラム 日程 2017年8月9日(水)・10日(木) 会場 日本福祉大学 東海キャンパス ■研究討論会(8本) 研究討論会1:研究発表会場1(講義室S301) [法制度特別研究委員会] テーマ名:「福祉のまちづく条例の指導の実態と今後を考える」 〇日時 8月9日(水)15:00~16:45(105分) 〇趣旨 法律の規定により新築建築物の一定規模以上のバリアフリー整備が義務化された事で建築物のバリアフリーはかなり進展した。一方、所謂福祉のまちづくり条例による指導により、さらなるバリアフリー整備の目指す取組を行っている自治体もある。これらの状況の中、建築物に対する法律と条例の窓口指導とバリアフリー整備の実態などから、今後の福祉のまちづくり条例の在り方を考えていきたい。 〇概要 自治体のバリアフリー法、福祉のまちづくり条例に基づく建築物に対する指導実務経験者による、建築物に対する窓口指導の実態について、これまでの建築物に対するバリアフリー整備の指導の取組(要綱による指導から)や窓口での指導で苦労した事例や課題、建築確認機関の指導の課題と問題点などを、宮崎市と練馬区の事例を報告していただく。 そして、「福祉のまちづくり条例の今後を考える」をテーマにパネルディスカッションを行う。パネルディスカッションでは、窓口指導の実務者をパネラーに、差別解消法との関係や義務化の対象規模の拡大と整備基準、今後の福祉のまちづくり条例の必要性について議論を行う。 〇コーディネーター     男鹿芳則(世田谷区) 〇プログラム   15:00~15:15  趣旨説明 15:15~15:45  報告1 建築物に対する窓口指導の実態(練馬区) 15:45~16:15  報告2 建築物に対する窓口指導の実態(宮崎市) 16:15~16:45  パネルディスカッション テーマ「福祉のまちづくり条例の今後を考える」 研究討論会1:研究発表会場2(講義室S303) [身体と空間特別研究委員会] テーマ名:「身体と空間の出会いから、今後のまちづくりの在り方を考える」 - プラスのデザインからマイナスのデザインへ - 〇日時 8月9日(水)15:00~16:45(105分) 〇趣旨 超高齢社会の進展、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、バリアフリー整備が急速に進められているが、その内容は、段差解消など従前のものと何ら代わり映えのしないものである。 そこでひとと空間の関係性の本質に立ち返り、今後のユニバーサルデザインの考え方に基づいたまちづくりの在り方を参加者とともに考えたい。 〇概要 昨年、本委員会が主催した視覚・聴覚・触覚基礎講座では、これまで議論してきたひとと空間の関係性を「目や耳などの諸器官の性質」、「情報の受け取り方」、そして「実際の行動との関係」として改めて確認するものであった。更にこれまでの本委員会主催の公開研究会では、これからの時代は、ユーザーのニーズのプライオリティも含めた様々な与条件をエビデンスに基づきインテグレイトし、従来のプラスのデザインではなく、マイナスのデザインでまちづくり・ものづくりに落とし込んでいく必要があるとした。 そこで本研究討論会では、照明、サイン、インテリアなどのデザインの現場の最前線でご活躍の実務者の方々に、これらを踏まえたユニバーサルデザインの考え方に基づくまちづくりを行う上で必要なことについて話題提供を頂き、参加者とともに議論を行いたい。 〇コーディネーター     原 利明(鹿島建設)、矢野喜正(矢野住環境研究所) 〇プログラム     15:00~15:10 趣旨説明:委員会幹事 15:10~15:25 話題提供1(仮)照明デザイナーの立場から:石田聖次氏(LIGHTSCENE) 15:25~15:40 話題提供2(仮)サイン計画者の立場から:中村豊四郎氏(アール・イー・アイ) 15:40~15:55 話題提供3(仮)インテリアデザイナーの立場から :桑波田謙氏(クワハタデザインオフィス) 15:55~16:40 ディスカッション 司会:委員会幹事 16:40~16:45 まとめ:委員会幹事 研究討論会1:研究発表会場3(講義室S304) [文化財・世界遺産のアクセシビリティ特別研究委員会] テーマ名:「文化財・世界遺産の継承とアクセシビリティ確保の可能性」 〇日時 8月9日(水)15:00~16:45(105分) 〇趣旨 高齢社会の進行、東京 2020 オリンピック・パラリンピックの開催、インバウンドの急増等により国内の文化財、歴史的建造物の一定のバリアフリー化と、観光地のユニバーサルデザイン整備が求められています。加えて2025 以降は団塊世代の後期高齢化が進み、これらの世代の観光需要が益々増大します。 そこで、高齢者や障害者、外国人を始めすべての人が楽しめる文化財や世界遺産とは何か、文化財を保護・継承しながらどのようなバリアフリー化や代替対応が可能性であるか。参加者の皆さんと広範な議論を展開します。 〇コーディネーター     高橋儀平(東洋大学) 〇プログラム     15:00~15:10 開催趣旨説明(高橋儀平:東洋大学)     15:10~16:00 研究討論(各10~12分)      報告 ①国の文化財行政の立場から 文化庁文化財部         ②文化財保護行政の立場から 石川祐一(京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課)         ③研究者の立場から 石塚裕子(大阪大学未来戦略機構) ④参観者の立場から 近藤佑次(愛知TRY:2015学会市民活動賞受賞者)      世界文化遺産全国調査結果の概要(15分)髙橋儀平+手塚夏美(東洋大学)     16:00~16:40 研究討論     16:40~16:45 まとめ 研究討論会2:研究発表会場1(講義室S301) [心のバリアフリー特別研究委員会] テーマ名:「ユニバーサルデザイン2020が目指す心のバリアフリーとは」 〇日時 8月10日(木)14:45~16:30(105分) 〇趣旨 「心のバリアフリー」は、様々な意味や文脈で利用されてきた概念であり、定義が明確ではないため、これまで様々な議論を呼んできた。本研究討論会では、「心のバリアフリー」に対するこれまでの実践を概観した上で、「障害の社会モデル」に基づいた新しい「心のバリアフリー」の捉え方の必要性や社会モデルに基づいたバリアフリー研修の在り方について討論する。 〇概要 本委員会では、様々な障害当事者団体と共に、「障害の社会モデル」に基づいたバリアフリー研修のあり方について調査や議論を行ってきた。その結果、「心のバリアフリー」の捉え方を整理し、バリアフリー研修への位置づけ方を明確にする必要性があることが明らかになった。そこで、本研究討論会では、「心のバリアフリー」に対するこれまでの実践を概観した上で、「障害の社会モデル」に基づいた「心のバリアフリー」研修の考え方について紹介する。また、障害当事者の視点で作成した動画を用いて研修の具体的な進め方について実演を交えながら紹介する。そして、障害者運動に関わる見地から指定討論を受けた後、フロアを交えて議論を行う。 〇コーディネーター     中野 泰志(慶應義塾大学) 〇プログラム    司会:澤田 大輔(交通エコロジー・モビリティ財団) 話題提供1 「心のバリアフリー」の概念の変遷と新たな概念規定の必要性  中野 泰志(慶應義塾大学) 話題提供2 「障害の社会モデル」に基づいた「心のバリアフリー」研修の概要  沼尻 恵子(一般財団法人 国土技術研究センター) 話題提供3 障害当事者の視点で作成した研修用動画を用いた新たな研修の提案  山嵜 涼子(NPO法人 自立生活センター•小平) 指定討論:山田 悠平(全国「精神病」者集団、精神障害当事者会ポルケ) ディスカッション 研究討論会2:研究発表会場2(講義室S303) [サイン環境特別研究委員会] テーマ名:「観光地におけるサイン環境を考える」 〇日時 8月10日(木)14:45~16:30(105分) 〇趣旨 近年、各地の観光地では国内外からの多くの観光客を想定したまちづくりとして、「おもてなし」のユニバーサルデザインに取組んでいるが、多くの課題に直面している。その中で本研究討論会では、わかりやすい情報伝達として観光地におけるサイン環境に関する事例から課題を抽出し、今後の整備に向けた方策や可能性を検討する。 〇概要 サイン環境特別研究委員会では安全快適なまちづくりに向けたサイン環境のありかたについて、これまで大阪都心部の梅田地区や難波地区などの地下街をはじめ、生活環境における「わかりやすさ」を具現化するための調査研究に取り組んでいます。 これまで開催した研究会では、光や色彩などの視覚に関するもの、音などの聴覚に関するものなど、基礎から応用を目指して、五感に関連するシリーズとして、幅広い人たちを考慮したサイン環境のあり方を検討しています。 今回の研究会での議論からさらに実際の観光地を事例報告から、その地の多様な諸事情をふまえて、サイン環境のあり方を議論する契機となることを期待したいと思います。 〇コーディネーター     田中直人(島根大学) 〇プログラム     □ 主旨説明 田中直人(前掲) □ 第1部 観光地におけるサイン環境の報告 (1)観光地におけるサイン事例 田中直人(前掲)  (2)姫路城周辺のサイン─ICTを中心として  大森清博(兵庫県立福祉のまちづくり研究所) (3)金沢城周辺のサイン─景観を中心として  土田義郎(金沢工業大学) □ 第2部 サイン環境をとりまく課題  (4)基準づくりとサイン   北川博巳(兵庫県立福祉のまちづくり研究所) (5)外国人からみたピクトグラム       岩田三千子(摂南大学)・ □質疑応答 □まとめ 田中直人(前掲) 研究討論会2:研究発表会場3(講義室S304) [東海北陸支部] テーマ名:「乗合バスにおける車いすの固定について語らう」 〇日時 8月10日(木)14:45~16:30(105分) 〇趣旨 東海北陸支部では、乗合バスにおける車いす固定の問題を取り上げ、論文発表や支部セミナーを開催してきた。これまでの成果の一つとして、車いす利用者の外出経験や、地域によって固定に対する捉え方が異なる傾向が確認された。今回は、全国から集まる立場や経験が異なる様々な参加者から、当該バリアへの思い・考えを収集する場として本セッションを企画した。 〇概要 居住地や外出経験の度合いが異なる多数の車いす利用者から、「乗合バスの固定」に関する意見を伺う。また、行政・交通事業者・研究者など様々な立場の意見も収集できるよう、本討論会への参加を呼び掛ける。お互いの意見には批評せず、時間が許す限りブレーンストーミングにより意見を抽出する。当該研究討論会としての結論を出す予定はないが、課題の集約・改善の方向性など、新たなアイディアが生み出されることを期待したい。 〇コーディネーター     樋口恵一(大同大学) 研究討論会3:研究発表会場1(講義室S301) [住民参画・社会環境特別研究委員会] テーマ名:「障害理解 あらためての問題提起~当事者参画の社会環境整備とは」 〇日時 8月10日(木)16:45~18:30(105分) 〇趣旨 本研究討論会では、これまで研究会で整理してきた「障害理解」と「合意形成(当事者間合意も含まれる)」に視点を置き、当事者が参画するまちづくり・社会環境整備における改めての問題提起を行なう中で、実務面からの課題を明らかにし、議論を深めるものである。 〇概要 障害理解・合意形成に視点を置き、当事者が参画するまちづくりについて幅広い視点から討論を行なう。広い意味で社会環境を整えるためには、市民による障害理解だけでなく、当事者同士が互いの身体的・精神的バリア等を認識し合い、問題を共有し合う事も大きな役割となる事が期待される。本研究討論会では、障害理解研究の実践者、まちづくりを支援する実務者からの話題提供をはじめ、討論では異なる主体で議論を深め、課題と展望を探っていきたい。 〇コーディネーター     長野博一(荒川区) 〇プログラム 話題提供者:西館有沙(富山大学)、別府知哉(八千代エンジニヤリング) 登壇者  :丹羽太一(東京大学REASE)、西館有沙(富山大学)、稲垣具志(日本大学)、別府知哉(八千代エンジニヤリング) 研究討論会3:研究発表会場2(講義室S303) [東海北陸支部] テーマ名:「高齢ドライバーの実態と対策」 〇日時 8月10日(木)16:45~18:30(105分) 〇趣旨 昨今、高齢ドライバーによる交通事故が頻繁にマスコミ等で取り上げられ、社会問題化している。高齢ドライバーの数自体が増加しているため、事故件数も増加することは必然ともいえるが、一方で事故の原因には加齢による運転能力の低下や認知症など、高齢ドライバー特有の問題も絡んでおり、未然に防ぐことができる事故もあると考えられる。ここでは、高齢ドライバーの事故や運転特性等の実態とその対策について議論したい。 〇概要 まず、高齢者講習における高齢ドライバーの運転実態を調査、分析された結果について報告頂く。次に、自身の体験も踏まえつつ、高齢ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違い挙動の特性について紹介頂く。また、交通事故防止のために急速に技術開発が進められているADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)の受容性等に関して調査された結果について報告頂き、高齢ドライバーの運転特性を考慮した対策のあり方について、参加者とともに考える。 〇コーディネーター     嶋田 喜昭(大同大学) 〇プログラム 16:45~16:50 趣旨説明:嶋田 喜昭(前掲) 16:50~17:10 高齢者講習結果に基づく高齢ドライバーの運転実態の分析          樋口 恵一(大同大学) 17:10~17:30 アクセルとブレーキの踏み間違い挙動について              荻野 弘(株式会社キクテック,豊田工業高等専門学校名誉教授) 17:30~17:50 交通事故を防ぐための新しい技術           西堀 泰英(公益財団法人豊田都市交通研究所) 17:50~18:30 討論 嶋田 喜昭(前掲)