特別研究委員会

9 国家資格等に関連する合理的配慮特別研究委員会

委員長 上野俊行(東京大学)

(1)委員構成 6名(委員長を含む)
<コアメンバー>長谷川万由美(宇都宮大学)、古瀬敏(フリーランス)、渡辺崇史(日本福祉大学)、鳥山剛(広島大学)、田中賢(日本大学)

(2)研究目的・主な研究事業
 障害者基本法の改正や障害者差別解消法をうけて建築・不動産関係、福祉関係、医療関係、法務・財務・総務関係などの多岐にわたる各種国家資格試験での障害者特別措置について、横断的に研究・分析し、障害者の社会参加に関する情報収集を行うことを目指して第二期特別研究委員会を実施した。
 第二期は、第一期において得られた情報・知識から、具体的な方向が定まったので、障害者欠格条項をなくす会など先駆的な取り組みを行っている方々の講演会(2015年12月、東京)、本委員会委員による『合理的配慮~資格試験での実情』の講演会(2016年3月、名古屋)により、現状の情報収集行うことができた。この現状の情報を基に、本委員会による『資格試験~差別解消に向けて』を第19回全国大会(2016年8月、函館)において、研究討論会を行った。これにより、とくに資格取得前後での取り組みの重要性を確認することができ、本委員会の意義を得ることができた。
 第三期・第四期では、各年数回の委員会の開催の他に、2回のシンポジウム(報告会)を予定している。内容としては、第一期・第二期で得られた情報をより体系的に研究・分析することを目的としている。具体的には、第一期・第二期においては資格取得前後の現状の情報収集にとどまっていたが、第三期・第四期においては各資格試験における対応だけではなく、資格取得前の学校・職場での支援、資格取得後の職場での支援・対応を知ることで、社会における障害者にとっての資格の意義などにも注目する。このような視点から、資格を取得・駆使して様々な活動を行っている障害者に対し訪問調査を行う予定である。
 現段階において、29年度(第三期)の初回シンポジウムは5月下旬開催を予定しており、テーマは「障害のある教員」に関する研究者に登壇頂き、障害のある教員がどのように教員資格を取得したのか、職場での受け入れ状況はどのようであるか、資格取得後の変化などを当事者の立場からの情報収集を行う予定である。可能であれば、秋ぐらいに、福祉先進国の国々では障害者の資格に対し、どのようなスタンスで臨んでいるのかを、この分野の専門知識を有する国内の研究者から報告をしていただき、日本の資格制度自体についても分析する視野を持つ予定である。
 第四期中に開催される30年度全国大会(2018年度)では本特別研究委員会において、第三期で収集した情報の研究・分析を行い、第一期・二期からのデータを総合して、本研究委員会主催で研究討論会を再び実施することを目指している。

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