1999年10月アーカイブ

第2回

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第2回  全国大会

◆ 大会概要

日 時: 1999年7月23日(金) 9:30~17:40
会 場: 神戸国際会議場(メインホール、401・501・502号)
神戸市中央区港中町6丁目9-1(神戸ポートアイランド) 
テーマ: 「福祉のまちづくりの新展開」 
主 催: 福祉のまちづくり研究会
福祉のまちづくり研究会第2回全国大会実行委員会 
共 催: 兵庫県社会福祉事業団(県立福祉のまちづくり工学研究所) 
後 援: 厚生省、運輸省、建設省、通商産業省、兵庫県、神戸市、土木学会関西支部、
日本建築学会近畿支部、日本都市計画学会関西支部、日本人間工学会、
日本リハビリテーション工学協会、日本リハビリテーション病院・施設協会、
日本理学療法士協会、日本作業療法士協会(以上予定を含む・順不同) 
定 員: 540名 
参加費: 正会員 5,000円 学生会員  1,500円
非会員 8,000円 学生非会員 3,000円(いずれもテキスト代含む)

◆ 主要プログラム

9:00~ 受付開始 
9:30~10:15 「福祉のまちづくり研究会」総会(1階メインホール)(対象:会員)
非会員の方で会員になっていただける方は、受付で入会手続きをしてご入場ください。
10:25~14:30 論文発表 10:25~12:45 高齢者移動1  住宅    住民参加
高齢者移動2  インフラ  施設・防災 
13:30~17:30 車いす     公共建築  ケアとサービス 
14:45~14:50 あいさつ(1階メインホール)
多淵 敏樹(大会実行委員長:兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所)
14:50~15:30 基調講演(1階メインホール)
講師:一番ヶ瀬 康子(会長:長崎純心大学)
これからの福祉のまちづくり
-少子高齢化の展開のもとに-
15:30~17:30 パネルディスカッション(1階メインホール) テーマ:
福祉のまちづくりの新展開
    -復興が生み出したもの-
コーディネーター: 田中 直人(摂南大学)
パネリスト:


: 相川 康子(神戸新聞社情報科学研究所)
上野 勝代(京都府立大学)
相良 二朗((有)住まいと道具研究所)
森崎 輝行(森崎建築設計事務所) 
17:30~17:40 あいさつ(1階メインホール)
野村 歡(副会長:日本大学) 
18:00~20:00 懇親会(神戸国際会議場1F レストラン・フォンタナ)
会費5,000円(当日会場受付にて支払)

◆ 論文発表プログラム

第1室(401号室) 高齢者移動1  10:25~11:45  座長:飯田克弘(大阪大学大学院) 
1-1)シルバービーグルKappoの開発とそれを用いたまちづくりの検討 
鎌田 実(東京大学大学院)、秋山哲男(都立大)、藤井直人(神奈川県総合リハセンター) 
1-2)共交通過疎地域高齢者の身体能力と運動能力 
藤井直人(神奈川県総合リハセンター)、秋山哲男(都立大)、鎌田 実(東京大学大学院) 
1-3)鷹巣町における高齢者の自動車同乗に関する研究 
藤田光宏(八千代エンジニヤリング㈱)、秋山哲男(都立大)、
藤井直人(神奈川総合リハセンター)、鎌田 実(東京大学大学院) 
1-4)公共施設巡回バスの効果分析
-愛知県日進市における福祉バスの事例-
磯部友彦(中部大学)、高須慎一(コリエテックコンサルタンツ㈱) 
高齢者移動2  11:45~12:45  座長:藤井直人(神奈川県総合リハセンター) 
2-1)高齢者対応型コミュニティバスの需要予測に関する研究 
都 君燮(名古屋大学工業大学)、新田保次(大阪大学大学院) 
2-2)STサービス運行システムの日英比較に関する基礎的研究 
関 悟志(東京都立大学大学院) 
2-3)障害者・高齢者から見たノンストップバス導入の効果と評価について 
猪井博登(大阪大学)、新田保次(大阪大学大学院)、
杠 典英(兵庫県立福祉のまちづくり工学研)、都 君燮(大阪大学大学院)、
Kyophilavong.P(大阪大学大学院) 
車 椅 子  13:30~14:30  座長:藤村安則(中央復建コンサルタンツ㈱) 
3-1)片斜面における車椅子使用者の走行特性に関する研究 
彦坂 渉(摂南大学大学院)、田中直人(摂南大学) 
3-2)自動車運転者からみたから見た車いすの視認性に関する研究 
木村一裕(秋田大学)、佐々木竜也(㈱伊藤)、志水浩志郎(秋田大学)、伊藤誉志広(東邦技術㈱) 
3-3)車いす混入を考慮した混雑時の歩道の計画と設計基準に関する一考察 
岡本英昭(近畿大学大学院)、北川博巳(システム科学研)、三星昭宏(近畿大学) 
第2室(501号室) 高齢者移動1  10:25~11:25  座長:田中直人(摂南大学) 
4-1)バリアフリー住宅の設計基準について 
-「神戸の住宅設計基準」を通じて-
平山京子((有)プランニング・オフィス・カーサ)、田中直人(摂南大学)、相良二朗((有)住まいと道具研)、堀田昭裕(千葉大学)、後藤義明(積水ハウス㈱)、辻 嘉和(松下電工㈱) 
4-2)棚型手摺の使われ方に関する研究 
-立ち座り動作時の手摺の使われ方に関する研究 その2-
古瀬 敏、布田 健(建設省建築研)、庄野 隆、加藤正男(ナカ工業㈱)、後藤義明、田中真二、中島康生(積水ハウス㈱) 
4-3)福祉機器のエネルギ消費に関する調査 
-兵庫県下での調査結果から-
宇根正美(兵庫県立福祉のまちづくり工学研)、末田 統(徳島大学大学院)、北山一郎(兵庫県立福祉のまちづくり工学研)、一森和之(兵庫県立工業技術センター) 
インフラ  11:25~12:45  座長:秋山哲男(東京都立大学大学院) 
5-1)福祉インフラ整備に関する市区町村の施策の実態 その1 
-分野別の見直しおよび新規設置の状況-
前川佳史、蓑輪裕子、溝端光雄(東京都老人総合研)、徳田哲男(埼玉県立大)、狩野 徹(岩手県立大学)、木村一裕(秋田大学)、高宮進(建設省土木研)
5-2)福祉インフラ整備に関する市区町村の施策の実態 その1
-分野別の見直しおよび新規設置の状況-
蓑輪裕子、前川佳史、溝端光雄(東京都老人総合研)、徳田哲男(埼玉県立大学)、狩野 徹(岩手県立大学)、木村一裕(秋田大学)、高宮進(建設省土木研)
5-3)高齢者の日常的な買い物行動とそれに関する環境評価
-高齢者の生活・外出行動とまちの環境条件に関する研究(その1)-
湧井志野、園田眞理子(明治大学)
5-4)兵庫県内の駅舎における車いす対応エレベーターの整備状況
石橋達勇(兵庫県立福祉のまちづくり工学研)、田中直人(摂南大学)
公共建築  13:30~14:30  座長:高橋儀平(東洋大学)
6-1)建築家のバリアフリーデザインに対する意識と設計取り組み状況に関する調査研究
老田智美(摂南大学大学院)、田中直人(摂南大学)、保志場国夫(三和総合研) 6-2)バリアフリーに関する公共事業の評価
-カスタマー・サティクファクションによる評価手法-
渡辺進一朗、安澤徹也(明治生命フィナンシュアランス研)
6-3)人間工学チェックリストを用いた既存公共建築物の改善提案の試み
-手動車いすのためのバリアフリー化-
武田友良、岸田孝弥(高崎経済大学)
第3室(502号室) 住民参加  10:25~11:35  座長:伊藤晴人(大東市保健医療福祉センター) 
7-1)アジア・太平洋地域におけるバリアフリー環境推進プロジェクト
佐藤克志(建設省建築研)
7-2)公共的施設におけるアクセシビリティ評価と情報提供
-「四日市バリアフリーマップ」作成を通して-
玉津照久(三重県北勢県民局)中裕一郎(名古屋女子大学)
7-3)老人保健福祉計画策定における参加者決定過程の比較分析
-環境変化に対応する計画参加手法考察のための基礎的研究-
卜部直也、秋山哲男(東京都立大学大学院)
7-4)公共的施設整備におけるバリアフリーコーディネ-トの制度化について
絵端恭臣(岡山県保健福祉部)、福田耕造(岡山県土木部)、村下正晃(岡山県土木部)、渋谷俊彦(山陽大学短期大学)、大久保忍(岡山県土木部)、小林 泰(岡山県岡山地方振興局)、重吉 和(岡山県土木部)、坂井容子(岡山県立岡山病院)、藤田和子((社)岡山県作業療法司会)、水島明子(岡山県保健福祉部)、中島道雄(住みよいまちづくりをすすめる会)、福島隆明、坂本啓治(福祉のまちづくりをすすめるみんなの集い)

8-1)高齢者住宅の供給に関するケーススタディ
-地方都市を例に-
陣内雄次(宇都宮大学)
8-2)自治体における障害者の防災計画と課題
-得に視覚障害者の対策をめぐって-
高橋儀平、生貝典子(東洋大学)
8-3)全国所要自治体における福祉のまちづくりの施策動向に関する調査研究 田中直人(摂南大学)、老田智美(摂南大学大学院)
8-4)洪水時における要介護高齢者の避難行動の現状と問題点
片田敏孝(群馬大学)、及川康、寒澤秀雄、浅田純作(群馬大学大学院)
ケアとサービス  13:30~14:30  座長:米崎二朗(大阪市職業リハセンター)
9-1)秋田県鷹巣町における一人暮らし高齢者の生活
-別居子・近隣・在宅福祉サービスとのかかわりあい-
中村恵美(青梅市福祉部)
9-2)応急仮設住宅における居住関連サービス・ケアに関する研究
大塚毅彦(証工業高等専門学校)
9-3)京都市における福祉入浴モデル浴場のバリアフリーに関する実態調査
-長寿社会に向けた地域コミュニティ形成のための空間とサービスのあり方に関する研究-
伊藤純子(摂南大学大学院)、田中直人(摂南大学)、老田智美(兵庫県福祉のまちづくり工学研)

  • 巻頭言
  • 解説「福祉のまちづくり」~設立総会講演から~
    • 21世紀に向けた福祉のまちづくり 一番ケ瀬康子
    • 土木工学と福祉のまちづくり 清水浩志郎
    • 建築学分野における『福祉のまちづくり』の成果と今後の研究課題 高橋儀平
    • 生活環境と福祉のまちづくり-人間工学の立場より- 徳田哲男
    • 地域生活支援と福祉のまちづくり 寺山久美子
  • 研究報告
    • 基礎的自治体における福祉のまちづくり条例 男鹿芳則
    • 高齢社会における参加のあり方 渡辺進一朗
  • 研究会活動報告

◆ 創刊にこめた願いと想い

一番ケ瀬康子

 20世紀は、企業と国家の時代であったが、21世紀は、福祉と地域の時代であるといわれている。その21世紀が目前に迫っている。その時、福祉のまちづくり研究会の機関誌を、世に問うことができたのは、まことに意義のあることではないだろうか。福祉のまちづくり研究会が、たち上がるには大きな2つの契機があったと考えられる。

 第1は、阪神淡路大震災の被害による痛みからである。阪神淡路大震災はマグニチュード7.3という大地震であった。しかしそれだけではない。それ以上にマグニチュードの高い地震は、すでに明治時代の濃尾大震災で経験している。しかしその折は、平均寿命43歳ぐらい。子供が各家庭に7~8人という頃であった。それだけに被害はむしろ子供たちに起こり、多くの親のない子を生み出した。それに対してその頃の慈善事業家は率先して自らの孤児院や我が家に引き取り、そこから大きく福祉が前進したという歴史がある。それに対比して阪神淡路大震災は、高齢社会を直撃した震災であった。当然そこで犠牲になったのは高齢の人々であり、死亡者の半数以上は60歳を越えていた。そればかりでなく、80歳以上でなくなった方の8割は、大きく遅れた日本の住宅政策の犠牲になって、木造老朽家屋の下敷きになりなくなられたのである。その他、救命、避難、復興においても、高齢者の人たちに対する冷たい都市の状況、まちづくりの結果が、ざまざまな話題を呼んできた。このようなことに対する厳しい反省、批判のもとにどうにかしなければならないという想いが、この研究会を発足せしめたのである。

 第2には21世紀に確実に訪れてくるであろう世界規模での高齢社会、その中で平均寿命も世界一である日本のまちづくりが、何とも遅れているいう反省がその根底にあった。ノーマライゼーションという言葉が、すでに1981年国連障害者年の時に流布されたにもかかわらず、バリアフリーが整い、車椅子でも自由に使える公共の建物や道路は少ない。駅舎も、全国主要な駅のわずか3分の1等々という実体は、経済大国のもとできわめて残念である。

 すでにアメリカでは障害をもつアメリカ人法を制定し、それは高齢社会を予測して、高齢者にとっても有効な法律であるというとらえ方でさまざまなまちづくりを展開してきている。アメリカのみではない。北欧諸国そしてアジアの国々の中でも、福祉のまちづくりが、積極化されてきている。日本はバブルが崩壊した深刻な不況のもとであっても、公共事業の中での福祉のまちづくりまた地方自治推進のもとでの地方自治体における住民参画の福祉のまちづくりは十分可能なはずである。

 以上のことを念頭において、情報交換、研究をすすめ、展開をするという意味においても、この福祉のまちづくり研究会の創設とこれからには、大きな期待が寄せられているのである。ことに今回、会の機関誌が発刊された。

 機関誌は、会員の方々をはじめ、それぞれの地域での学習会に活用していただきたい。また、より以上に、今後、会員の方が、それぞれの実践の中から生まれた研究を、また提案を、存分に提供していただきたい。この機関誌を軸にして、福祉のまちづくりへの研究がより深まり、広がることを期待してやまないからである。それこそが、21世紀を福祉と地域の世紀として、打ち立てていくことになる。そして、真の人間らしい社会を日本に展開し、国際的にも情報提供をできるようになりたいと願っている。

◆ 「福祉のまちづくり研究会」発足の意義と事業概要

福祉のまちづくり研究会事務局長 高橋儀平

1. 福祉のまちづくり研究会の発足

 1997年7月11日、全国的な学際交流の場として「福祉のまちづくり研究会」(以下、研究会と称す)が発足した。

 福祉のまちづくりとは、1970年代にはじまり、既に30年弱を経過しているわが国独特のノーマライゼーション運動といえる。各地では小規模な展開ではあるが、確実に生活のハードからソフトまでを含む本来まちづくり概念に発展しようとしている。同時に、困難ではあったが、「福祉」という狭義の概念を拡散させ生活全般の課題を包含させる役割を担ってきた。

 1970年代には、ノーマライゼーションとは何かを、施設福祉から在宅福祉、地域福祉への転換で解明しようとし、当事者主体のまちづくり運動として萌芽、80年代初頭には、障害のある市民が、通常の社会活動に均等に参加する権利を実現する一手段として、90年には少子高齢社会への都市と生活基盤を整備する広範な概念として社会的な認知を受けてきた。そして、90年代後半には、それまでの各地の経験を元に、福祉のまちづくり条例やハートビル法が制定されるに及んだ。

 しかし、いずれの時代にあっても、福祉のまちづくりは住民が主導となったまちづくりを意味してきたことを忘れてはならない。

 1995年1月、痛ましい阪神淡路大震災が起こり衝撃を与えた。世界で初めてといってよい高齢時代の先進都市を直撃した震災であった。被災者の過半が高齢者であったことも改めて私たちを深刻にさせ、震災の規模もさることながら、わが国にあって、都市化や福祉のまちづくりの先端を歩んできた神戸市や兵庫県が、実はきわめて弱くもろい都市基盤であったことを露呈したのである。

 いち早く障害者の安否の確認を行ったのが市民主体のボランティアグループであった。関西地区の現会員を中心に、震災当初から被災障害者の支援に取り組み、まもなく復興のまちづくりを支援する中から市民生活と研究・行政の壁を取り払う学際的な研究の立場を立ち上げる必要性が高まった。

 ところが、「福祉のまちづくり」の枠組みに対する意見の相違、あるいは、いまさら30年を総括して、「福祉のまちづくり」ではないのではないか、という声もあった。しかし、生活に根ざした福祉のまちづくりの名称を越えるには、さらに多くの討議と時間を要することもあり、ひとまず本研究会を発足させることとなった。研究会は、こうして、障害当事者を始め、多様な分野から多くの専門家が参加してスタートした。

2. 研究会の意義と事業概要

 研究会の意義は、次のようにまとめられよう。

 第1に、震災を契機にあらためてわが国が突き進んできた、社会基盤整備のあり方を反省し、本格的な少子高齢社会に向けてどのような環境づくりを目指すべきかについて、多様な分野から検討し、共有化すること。第2に、従来ともにすれば、建築や土木工学に偏りがちな福祉のまちづくり事業を見直し、異分野の連携を図るとともに、法制化の役割や市民の役割を含めた社会貢献のあり方を研究すること、第3に、福祉のまちづくり、あるいはこれからの社会に求められる生活支援技術の開発について学際的に研究すること、第4に、国内外との情報交換と経験交流の実現を図ること、である。そして、第5に、本研究会は、市民生活と一体になった開かれた学術団体を構築し目指していることである。

 本研究会は当面の事業として、次のような点を掲げている

 (1) 福祉のまちづくりに関する調査研究
 (2) 研究大会、講演会、研修会、見学会等の実施
 (3)情報交換、ニュースレター、会報その他印刷物の刊行
 (4) 国際協力

 以上のほか、他団体との共済事業、関連学会事業への講演を行い、また、本誌でも紹介されているように投稿論文の審査が計画されている。
設立後、2年を計画した現在の事業は、概ね以上の各項目に沿って進められている。以下、設立から2年あまりの主な活動経過について列記する。
なお、現在の会員数は、約300名である。(選挙権、被選挙権所持者)

事業の経過

1995年
1月 阪神淡路大震災が起こる
9月  震災と福祉のまちづくりシンポジウム開催(バリアフリーシステム開発財団)
10月 「学会」づくり準備会開催、以後2ヶ月に一回程度の準備会を開催し、組織、名称、事業内容、会則、役員体制等を討議
96年
4月 「学会」設立準備会正式発足、準備事務局を(財)国土開発技術研究センターに設置
10月 設立大会準備開始
97年
3月 当面の名称を「福祉のまちづくり研究会」と決定。会則、組織体制決定
7月 設立大会開催(11日、東京都千代田区)、総会(会則、組織、役員体制承認)、設立シンポジウム開催、ニュースレター第1号発行
10月 ニュースレター第2号発行、メーリングリスト試行開始
98年
1月 ニュースレター第3号発行
3月 研究会入会案内用リーフレット完成 3月 関西シンポジウム開催(9日、大阪市)
4月 事務局移転、(財)バリアフリーシステム開発財団へ 
5月 関西支部設立(26日) 7月 平成10年度第1回講習会「福祉社会の交通」(17日)
7月 平成10年度総会(31日) 第1回全国大会開催(31日、東京都世田谷区)、研究発表、シンポジウム開催 7月 ニュースレター第4号発行、論文募集案内
9月 関西支部第1回関西セミナー(2日) 「神戸市突堤船客ターミナル見学と神戸ベイエリアクルージング」 10月 第2回講習会「既存建築物・生活空間の改善手法をめぐって」(27日) 11月 第3回講習会「人間特性と規格化」(20日) 研究会会誌編集委員会(13日)発足 関西支部第2回セミナー(13日) 「WHOの障害者定義」 12月関西支部第3回セミナー(5日) 「福祉のまちづくりにおける自己反省」 関西支部第4回セミナー(12日) 「公園計画とユニバーサルデザイン」 役員選出のための幹事選挙スケジュール通知(21日)
99年
1月 選挙管理員会発足
2月 ニュースレター第5号発行 2月 第4回講習会「マイケルウィンター講演会」
3月 第1回幹事選出選挙(3月8日公示、20日投票締切、27日開票)、新幹事15名選出 第5回講習会「ノルウェー建築研究所Jon Christophersen氏講演会」(26日)
4月 新幹事による推薦委員会開催(27日) 国際委員会設置
6月 研究会誌第1号発行
7月 第2回全国大会開催予定(23日、神戸市) 

委員会の設置
・ 総務委員会(事務局活動、幹事会、財務等会運営、メーリングリスト管理、、会員管理、選挙事務等) ・ 企画・広報委員会(大会事務、研究会、講習会の企画運営、ニュースレター発行等)
・ 論文委員会(査読論文の募集と審査) ・ 会誌編集委員会(研究会誌の編集・発行)
・ 国際委員会(国際交流、シンポジウム・講演会の開催) ・ 全国大会は、開催地域で組織して運営 

3. 研究会の今後の課題

 最後に、研究会の今後の課題について、私見を含めて述べておきたい。第1は、研究会の名称、つまり「福祉のまちづくり」の呼称問題である。時代とともに福祉のまちづくりの概念が変化してきており、名称の理解が拡散している。しかし、依然として狭義に押し込められていなくもない。一方では、福祉のまちづくり条例等で制度に組み込まれている。「福祉」概念の拡大がないと広範な専門領域を取り組めないこともあり、研究会の役割も重要である。わが国独特の歩みを持つバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンセプトを国内外に発進していく役割が求められるよう。

 第2に、研究会活動に関わる市民の参加である。発足以前からの課題であるが、研究者と現場との乖離をなくすことが本研究会の使命でもあり、何らかの形で共同事業を進め必要がある。市民のうち現幹事(役員30名)には、障害当事者が4名参賀しているが、女性、高齢者(団体)等の参加が少ない。少なくとも共同事業の開催等で市民団体との緩やかなネットワークを構築していきたい。

 第3に、各専門分野間のコミュニケーション確保である。福祉のまちづくりに関わるそれぞれの研究史や温度差があり、それが会員数にも影響しているように思われる。その意味で、異分野交流が取り組める公開の研究発表会を随時開催していく必要がある。研究発表の場では、現場からの発進を期待し、学術論文では、境界領域、学際的研究テーマに期待していきたい。

 第4に、会員の大半が加盟する既存学協会との連携である。現在では、当該分野に期待されているニーズにより、強弱のある連携が模索されている。今後時代を要すると思われるが、土木学会、建築学会、都市計画学会、精密工学会、リハビリテーション工学会、社会福祉学会、理学療法士学会、作業療法士学会などとの連携は特に重視されよう。

 第5に、会員サービスの充実である。会員増強が会運営にとって、きわめて重要な課題であるがそのためには会員サービスの拡充を優先して行う必要がある。ニュースレターや会誌の発行はもとより、定期的な情報リソースの提供と研究交流は欠かせない。研究助成も近い将来には行うようにすべきであろう。会運営活動に関しては、ボランティア精神に依存した個人負担からの脱出を早めに検討していかねば、既存の学会組織との活動区別ができないであろう。

 第6に、国際交流である。先に述べたわが国の経験が、諸外国に必ずしも十分に伝わっていないと感じる。これまでは技術的側面が強調されており、わが国の風土や文化に根ざした福祉のまちづくりの経験を早めに情報発信する必要がある。建築文化でいえば、和風の住まいの伝統とバリアフリーデザインの解明は単なる段差にとどまらない多様な側面を持っているはずだ。特にアジア諸国との連携に、欧米の先端地域との交流が課題である。

 最後に、人材養成である。福祉のまちづくり教育と呼ぶべきかどうかは問題のあるところであるが、小中義務教育への導入、高等教育機関での実践的カリキュラムの作成、専門家向け教育の必要性が痛感させられる。また、本研究会の会員がリーダーとなり関連学会との協力によって、次代を担う若手研究者、当事者リーダーを育成する必要があろう。

 以上のように、本研究会には、実に多くの課題が横たわっている。しかも、ある面では一刻の猶予も許さない時代背景下にもある。研究会は、いま始まったばかりであるが、会員各位と関係者・団体の参加、支援によって、21世紀に向けた「福祉のまちづくり」の体系化と展望を切り開きたいと願っている。

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