2018年07月28日時点

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研究討論会

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特別討論会(ランチミーティング):研修館ホール

[委員会名]
テーマ名:「学会の将来を考える緊急集会」

〇日時

8月10日(金)13:00~13:45

〇趣旨

 多様な学問領域の連携、研究と実践、研究と社会運動、多様な当事者同士の連帯、本学会の特長を語るはずのこれらのキーワードが、創設20年を越えた今日、どこまで実質化しているのか、学会の今後について炎上を恐れず議論します!

〇概要

コーディネーターより趣旨説明をした後に、次の2名の方より短くご報告をいただきます。

北川博巳(兵庫県立福祉のまちづくり研究所)
→学会のこれまでを振り返り、現状を見渡す課題意識について提起願います。

森口弘美(京都府立大学)
→障害のある人と調査に取り組むインクルーシヴリサーチの理論と実践に関する報告を通して、「まち」を構成するマジョリティとそこにあるメカニズムの変更を促すという方向性を語っていただきます。

続けてフロアより指定発言を2名ほどいただき、私たちの学会がめざす違ったベクトル間の統合のあり方や、直近の重点目標について議論をしたいと思います。

〇コーディネーター
学会会長:小山聡子(日本女子大学)


研究討論会1:大会議室

[委員会名] 心のバリアフリー特別研究委員会
テーマ名:「精神障害と視覚障害を題材とした「心のバリアフリー」
研修:障害の理解から人権の理解への展開」

〇日時

8月9日(木)15:15~16:45

〇趣旨

 本委員会では、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に基づき、「心のバリアフリー」を再定義した上で、研修プログラムを立案してきた。昨年度は、肢体不自由を題材に「障害の社会モデル」の理解を促進するための研修プログラムを紹介し、議論を行った。本年度は、精神障害と視覚障害を題材に立案した研修プログラムを紹介した上で、障害(インペアメント)の理解から人権の理解へ展開する必要性について討論する。

〇概要

 本委員会では、日本政府による「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に基づき、様々な障害当事者団体と共に、「障害の社会モデル」に基づいた新たな「心のバリアフリー」研修プログラムに関する実践的研究を実施してきた。本研修プログラムの特徴は、1)「障害の社会モデル」の理解すること、2)障害のある人(及びその家族)への差別を解消すること、3)コミュニケーションを取る力や共感する力を培うことを目指している点である。研究討論会では、本委員会の研究成果が福祉のまちづくりに果たしてきた役割(例えば、内閣官房の「汎用性のある研修プログラム」や国土交通省の「交通事業者向け接遇ガイドライン」等への貢献)を示した上で、精神障害と視覚障害を題材に立案した新しい研修プログラムについて話題提供する。そして、「心のバリアフリー」を障害のある人達の人権として理解することの必要性や方法論についての指定討論を受け、フロアを交えてディスカッションする。

〇コーディネーター
中野 泰志(慶應義塾大学、心のバリアフリー特別研究委員会委員長)

〇プログラム

司会:澤田 大輔(交通エコロジー・モビリティ財団)
話題提供1「心のバリアフリーが語られてきた文脈とUD2020行動計画に基づく
バリアフリー研修の現状」:中野 泰志(慶應義塾大学)
話題提供2「UD2020行動計画に基づく心のバリアフリー研修とは」:
沼尻 恵子(一般財団法人 国土技術研究センター)
話題提供3「視覚障害を題材とした研修プログラム」:宮城 正(日本盲人会連合)
話題提供4「精神障害を題材とした研修プログラム」:山田
悠平(全国「精神病」者集団、精神障害当事者会ポルケ)
指定討論 「障害理解から障害者の人権の理解への展開の必要性」:
桐原 尚之(全国「精神病」者集団)、長谷川 唯(立命館大学)
ディスカッション


研究討論会2:第1研修室

[身体と空間特別研究委員会]
テーマ名:「身体と空間の出会いから、今後のまちづくりの在り方を考えるー プラスのデザインからマイナスのデザインへ PartⅡ」

〇日時

8月9日(木)15:15~16:45

〇趣旨

 超高齢社会の進展する中、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、バリアフリー整備が急速に進められている。しかしその内容は、段差解消など、従前のものと何らかわり映えのしないものである。そこで、「ひとと空間の関係性」の本質に立ち返り、今後のユニバーサルデザインの考えに基づいたまちづくりのありかたについて、参加者とともに考えたい。

〇概要

 本委員会が主催したこれまでの研究討論会では、これからの時代に必要とされる動向について、①都市生活者や施設利用者のニーズをとらえ、ニーズの優先度も含めたさまざまな与条件をふまえて、エビデンスに基づいて統合すること、②従来の「プラスのデザイン」ではなく、「マイナスのデザイン」をおこない、まちづくり・ものづくりに落とし込んでいくことが必要である、という議論をおこなってきた。ここで言う「プラスのデザインからマイナスのデザインへ」とは、必要とされるニーズ、すなわち情報を排除するという意味ではなく、音環境を例にすると、音サイン・音案内を規定したJISでは、音サイン・音案内は、周辺環境音(暗騒音)より10dB以上確保するように求められている。この場合、暗騒音が高い環境ではそれを超えるより大きな音で音サイン・音案内を提供しなくてはならない。ここで考えるべきは、暗騒音を下げることで小さな音でも明瞭に聞こえる環境を創るということである。音サインに対するコンフリクトを解消するばかりでなく、難聴者にとっても聞こえやすい環境を創ることができ、多くの人にとって快適な環境を創造できるということである。こうした問題をふまえて、本研究討論会では、ユニバーサルデザインの考えかたに基づくまちづくりをおこなう上で必要なことについて、現場の最前線で活躍されている方々から話題提供を受け、「プラスのデザインからマイナスのデザインへ」という仮説について、参加者とともに考えることとした。

〇コーディネーター
原 利明(身体と空間特別研究委員会委員長/鹿島建設)

〇プログラム

15:15~15:20 趣旨説明:矢野喜正(矢野住環境研究所)
15:20~15:35 話題提供1:「歩行誘導の視点から考える道路の路面表示」
稲垣具志(日本大学)
15:35~15:50 話題提供2:「視覚障害者誘導ブロックについて」
大野央人(鉄道総合研究所)
15:50~16:05 話題提供3:「音サインの現状と目指すべき音環境」 
武者 圭(サウンドデザイナー)
16:05~16:40 討論:司会 松田雄二(東京大学) 
16:40~16:45 まとめ:矢野喜正(前掲)


研究討論会3:大会議室

[委員会名] 子育ち・子育てまちづくり特別研究委員会
テーマ名:「まちづくりにおける子育て環境を振り返る~今後の発展のために何が必要か~」

〇日時

8月10日(金)16:30~18:00

〇趣旨

 2003年日本福祉のまちづくり学会高山大会から始まった子育ち・子育てを視点としたまちづくりに関する研究活動は、今年で15年目を迎えました。その間、国土交通省ではベビーカーマークを発表するなど子育て支援や法制度は発展してきました。
 そこで、これまでの子育ち・子育てに関する学会報告や当委員会の活動と他学会の動きなどを総括し、これまでの活動を振り返り、今後の子育ち・子育て支援及び研究・活動に向け何が必要か議論します。

〇概要

 日本福祉のまちづくり学会研究大会における子育て環境に関連する研究のレビューを概観し、当委員会の発足から現在の活動までの報告を行うと同時に、他学会での子育て環境に関する研究や活動、及び子育て施策における社会の動向について報告します。さらに、登壇者によるパネルディスカッションとさまざまな立場からの意見交換・研究討論を行います。

〇コーディネーター
植田瑞昌(子育ち・子育てまちづくり特別研究委員会委員長)、
長谷川万由美(宇都宮大学教育学部)

〇プログラム

16:30~16:35 趣旨説明 植田 瑞昌(前掲)
16:35~16:45 「福まち学会における子育て環境研究事業のはじまり」
八藤後 猛(日本大学 理工学部)
16:45~16:55 「子育ち・子育てまちづくり特別研究委員会の発足と活動」
植田 瑞昌(前掲)
16:55~17:05 「他関連学会における子育てに関する研究・活動」
大森 宣暁(宇都宮大学 地域デザイン科学部)
17:05~17:15 「エンゼルプランから始まった子育て施策における社会の動きと今後」
長谷川 万由美(宇都宮大学 教育学部)
17:15~17:55 パネルディスカッションと討論会
17:55~18:00 まとめ・統括
初代 子育ち・子育てまちづくり特別研究委員会委員長 
長谷川 万由美(既出)


研究討論会4:(会場)第1研修室

[委員会名] サイン環境特別研究委員会
テーマ名:「国際化・外国人に対応したサイン環境デザイン」

〇日時

8月10日(金)16:30 ~ 18:00

〇趣旨

 サイン環境特別研究委員会では、安全快適なまちづくりに向けたサイン環境のあり方についての調査研究に取り組んでいます。大阪の地下街での実態調査をはじめ、生活環境における「わかりやすさ」を具現化するために研究会を開催してきました。視覚や聴覚などの五感に関連するシリーズとして、基礎から応用を目指して、幅広い人たちを対象とするサイン環境のあり方を検討しています。今回の研究討論会では、海外からの観光客が増大することにより、トイレやサイン環境をはじめ、各地でバリアフリー整備が急務となっている状況から国内外の取り組み状況および当事者の視点からあるべき姿を討論します。

〇概要

 話題提供として、観光施策としての海外からの観光客に対する取り組み状況等の報告、その関連で和歌山城において観光客に対する案内や介助サービスの実践グループの活動事例を紹介していただき、外国人を対象にした各種サービスや環境整備のあり方について考える契機とします。引き続き、ディスカッションでは外国人の立場から気づく観光地や生活環境における整備課題などについて、話題提供者への質問も含めて行い、日本国内に限らず、海外での先駆事例などを踏まえた意見交換を行います。

〇コーディネーター
田中直人(島根大学/サイン環境特別研究委員会委員長)

〇プログラム

16:30~16:35 主旨説明
16:35~17:05 第一部 話題提供
1.「海外からの観光客に対する取り組み状況等について」
岡本  昇(国土交通省 近畿運輸局)
2.「和歌山城における観光案内や介助サービスの実践活動」
川島 寛昭(城プロジェクト)
17:05~17:55 第二部 ディスカッション・質疑応答
岡本  昇(前掲)
川島 寛昭(前掲)
黄 友莉(大阪大学)
Chad Cottam(関西学院大学)
岩田三千子(摂南大学)
17:55~18:00 まとめ・閉会


研究討論会5:(会場)第3研修室

[委員会名] 関西支部
テーマ名:「もっとやさしいまちにしたいねん~視覚障害者から」

〇日時

8月10日(金)16:30~18:00

〇趣旨

電車のホームから転落する視覚障害者が話題になっているが、当事者に聴いてみるとほとんどの方々が経験していることで、今頃話題になるのは遅すぎる感があるという。視覚障害者とサポーター等が集まって虚心坦懐に経験や生活情報を共有し、意見交換を行う場で話されている話題や当事者の声を、福祉のまちづくり学会の専門家の方々に聴いていただきたいということから企画を行った。

〇概要

 まちに出る障害者は一時に比べると随分多くなったとは言われるが、困りごとはまだまだ多い。たとえば、視覚障害者を見かけたらどんなふうに声をかければいいか、望まれる声かけのポイントには健常者と障害者の間には乖離がある。
今回の研究討論では、視覚障害当事者から3つの視点で話題提供をいただくこととした。
 一つは、ユニバーサルデザインに対する視覚障害者の関わり方の実例から「障害者と健常者のくらしのコンタクト設計」を、二つ目は視覚障害者の心地よい移動手段であるタンデムを取り上げてその実践から展望や日本の取り組みの制度上の問題点を「移動・スポーツ・レクリエーション手段としてのタンデム」として、三つ目に小・中・高校の福祉教育授業に長く関わってきた経験から「障害者と健常者のコンタクト教育」として話題提供をいただく。
 このほかにも健常者とのインターフェースとしてメール、フェースブック、LINEを視覚障害者はどのように使いこなしているかという「視覚障害者のIT対応」についてもその実態を知っていただけるかと思う。
 これらの話題から、視覚障害者が社会に出るために望ましい仕掛けづくりについて障害者、健常者が一緒に考える場となれば幸いである。

〇コーディネーター
北川 博巳(福祉のまちづくり研究所)

〇プログラム

16:30~16:35( 5m) 趣旨説明:北川 博巳(前掲)
16:35~16:55(20m) 話題提供1:障害者と健常者のくらしのコンタクト設計
竹田 幸代(消費生活アドバイザー)
16:55~17:15(20m) 話題提供2:移動・スポーツ・レクリエーション手段としての
タンデム
堀 康次郎(一般社団法人大阪市視覚障害者福祉協会・理事)
17:15~17:35(20m) 話題提供3:障害者と健常者のコンタクト教育
海老澤弥生(池田市身体障害者相談員)
17:35~17:50(15m) 意見交換~言い残したこと
17:50~18:00(10m) 視覚障害者からの発信~研究討論のまとめ:北川 博巳(前掲)


研究討論会6:第1研修室

[地域福祉交通特別研究委員会]
テーマ名:「豊かな「くらしの足」を創り,育てる「のりしろ」を考える」

〇日時

8月11日(土・祝)10:00~11:30

〇趣旨

 超高齢社会における「くらしの足」の確保は,交通と福祉,あるいは,公共交通と自家用車など,在来の枠組みから一歩踏み出した「のりしろ」を生みだすことが必要である。本研究討論会は,全国各地の「のりしろ」に関する実践例(多様な主体が連携した創発的なモビリティ確保の取り組み,地域包括ケアと連携したモビリティマネジメント)やシーズ(ICT活用による自家用車のパブリック化)の報告に加え,高齢者の移動手段確保に関する国の政策も俯瞰することで,超高齢社会における豊かな「くらしの足」の創造に求められる視点を明らかにする。

〇概要

 研究討論会の前半では,国土交通省「高齢者の移動手段の確保に関する検討会」における「中間取りまとめ」の内容を概観するとともに,地域福祉交通特別研究委員会のメンバーが「担い手」やシーズに着目した報告を行う。それを受けて,コーディネーターが超高齢社会における「くらしの足」の確保に関する課題を提起し,登壇者を交えてディスカッションする。

〇コーディネーター
吉田 樹(福島大学/地域福祉交通特別研究委員会 委員長)

〇プログラム

開会 研究討論会の趣旨説明(吉田 樹)
話題提供1「くらしの足」の確保と「担い手」の課題(福本雅之氏/豊田都市交通研究所)
話題提供2「くらしの足」を変革するシーズへの期待と課題(森口将之氏/MOBILICITY)
高齢者の「くらしの足」の確保に関わる論点整理(吉田 樹)
登壇者によるディスカッション(フロアーとの意見交換も含む)
閉会


研究討論会7: (会場)研修館ホール

[委員会名] 関西支部
テーマ名:「バリアフリー法の改正~何がポイントか~」

〇日時

8月11日(土・祝) 10:00~11:30

〇概要

 2020年東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会の開催を契機とした共生社会等の実現を図るためにも、全国におけるバリアフリー化を一層推進するために総合的な措置を講ずる「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律」が施行されようとしています。
また、昨年度にはバリアフリー法の「移動円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準等の検討」や旅客施設・車両のバリアフリー整備ガイドラインの改定も検討がされました。
 この研究討論会ではこれらのプロジェクトに携わった方からどのようなところにポイントがあるのかを話していただき、当事者参加を謳っております当学会として、どう考えてゆくべきかを知る機会にしたいと思います。

〇コーディネーター
北川博巳(兵庫県立福祉のまちづくり研究所)

○パネルディスカッション

三星昭宏(近畿大学名誉教授)
髙橋儀平(東洋大学ライフデザイン学部)
松原淳(交通エコロジー・モビリティ財団)
山名勝(近畿運輸局バリアフリーリーダー)
鈴木千春(近畿運輸局バリアフリーリーダー)
および数名の指定討論者