学会賞

学会賞選考結果・講評

第八回(2017年度)学会賞 決定のお知らせ

2017年8月8日
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会 会員各位
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
学会長 小山聡子

 学会賞選考委員会(磯部友彦委員長)による厳正な審査の結果、日本福祉のまちづくり学会、第八回学会賞受賞者を次のとおり決定しました。本件は理事会の承認を得ております。

 なお、表彰式は、2017年8月9日(水)17:00から愛知県東海市において、日本福祉のまちづくり学会第20回全国大会(東海大会)の行事として実施いたします。

(1) 学術賞

1)
代表者:長屋榮ー
長屋榮ー・鈴木博志(2016)
「中国西安市における高齢者福祉施設の入所意識、改善要望の地域別分析」
福祉のまちづくり研究 第18巻3号 2016年7月15日発行

○選考過程
 福祉のまちづくり研究(第17巻2号から第19巻1号)に掲載された11編の原著論文を対象とし、選考委員会で審議し、信頼性・妥当性・新規性・分野間連携等において総合的に優れた内容を有する論文として1編の論文を選定した。

○選考評
 本研究は、中国の内陸都市である西安市を対象に、高齢者福祉施設の統計資料と入所者へのアンケート調査を実施し、高齢者福祉施設への入所の実態と課題を地域や施設の種類の違いに着目して解析している。そして、施設への入所ニーズや課題が地域や施設の種類により異なることを見出し、高齢者福祉施設への入所を高める要因について整理している。海外での詳細な調査を実施し、その成果として貴重な知見が得られており、これを礎に国内外における当該分野の研究の発展が大いに期待できるものと評価できる。よって、学術賞に値するものと認められる。

(2) 市民活動賞

1)
活動名:大和鉄脚走行会
活動団体名:大和鉄脚走行会
代表者:加藤弘明(日下病院整形外科医長)

○選考過程
 2016年12月27日付け会告により、募集開始。各支部長等にも推薦依頼。2月9日に応募の締め切り。応募件数2件。選考委員会内でのメール審議により、以下の項目に基づいて、表彰対象を吟味。「主体の当事者性」、「活動開始と継続の経緯」、「具体的活動内容と実施の頻度と年数」、「多様な人々の連携のあるなし及び関与する人数」、「展開する活動の内容とバラエティ・活動の成果(質的量的な波及効果)」、「他の類似活動と比較した場合の優位性」。選考委員会で審議し、上記の1件を表彰に値すると選定した。

○選考評
 義足ユーザーのスポーツ活動支援のために、義足ユーザーとその家族、医師、理学療法士、作業療法士、義肢装具士、義肢メーカーなどのエンジニア、福祉活動家、市民ランナーなど、楽しみたい人が集まって、立場の枠を気にせず仲間として一緒に活動している会である。月1回のペースで三重県内のグランドで練習会を開催している。東海地区のみならず広島県からの参加者もいるという広域的な活動になりつつある。さらに、スポーツを手掛かりに義足ユーザーの社会参加に向けての支援活動も実施している。この中からパラリンピアンも誕生している。義足ユーザーを対象にした活動はいまだに希少であり、今後のバラスポーツの普及においても存在意義が高い。よって、大和鉄脚走行会は、市民活動賞に値するものと判断する。

学会賞選考委員会
磯部友彦(委員長)、大森宣暁、狩野徹、鎌田実、髙橋儀平(特別委員)

第七回(2016年度)学会賞 決定のお知らせ

2016年7月4日
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会 会員各位
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
学会長 秋山哲男

 学会賞選考委員会による厳正な審査の結果、日本福祉のまちづくり学会、第七回学会賞受賞者を次のとおり決定しました。
 なお、表彰式は、2016年8月5日(金)13:30から北海道函館市において、日本福祉のまちづくり学会第19回全国大会(函館大会)の行事として実施いたします。

(1) 学術賞
今回は選考を実施しませんでした。

(2) 市民活動賞
①活動名 障害平等研修の実施を通した障害者の社会参加の促進
 活動団体名 特定非営利活動法人障害平等研修フォーラム
 代表者 久野研二(国際協力機構)
②活動名 介助犬のひろば
 活動団体名 介助犬のひろば実行委員会
 代表者 剣持 悟(川村義肢株式会社)

○選考経過
 2016年2月17日付け会告により募集開始し、同年3月31日に応募を締め切った。各支部長等にも推薦依頼をした。申請のあった4点を審査し、上記の2点を表彰することに決定した。
 審査のポイントは基本事項(歴史や経過・活動場所・主体・対象者や対象物・活動内容・活動方法・成果)及び、活動の特徴(主体の当事者性・活動開始と継続の経緯・具体的活動内容と実施の頻度と年数・多様な人々の連携のあるなしとその規模・活動の内容とバラエティ・活動の波及効果・他の類似活動からの優位性)であり、これらを総合的に判断した。

○選考評
 ①活動名 障害平等研修の実施を通した障害者の社会参加の促進
 障害者自らの活動であり、障害者がファシリテーターとして研修の進行役を担い、障害者が直面する日常的な問題について、自ら考え、気づき、発見する研修活動である。全国的に展開する活動として定着している。これらのことが市民活動として高く評価できる。
 ②活動名 介助犬のひろば
 介助犬が広げる可能性について市民に向けてアピールする活動であり、そのメンバーは地域や職域を越えて様々な業界のリーダーが結集している。また、運営資金は市内の事業者から寄付を募り,100%民間資本で運営している。大阪府大東市で始まり、全国的に展開しつつある。これらのことが市民活動として高く評価できる。

学会賞選考委員会
磯部友彦(委員長)、大森宣暁、狩野徹、鎌田実、髙橋儀平(特別委員)

第六回(2015年度)学会賞 決定のお知らせ

2015年7月10日
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会 会員各位
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
学会長 秋山哲男

学会賞選考委員会による厳正な審査の結果、日本福祉のまちづくり学会、第六回学会賞受賞者を次のとおり決定しました。
なお、表彰式は、2015年8月8日(土)18:00から東京大学柏キャンパスにおいて、日本福祉のまちづくり学会第18回全国大会(柏大会)の行事として実施いたします。

(1) 学術賞:
 1)代表者:砂川尊範
砂川尊範、鈴木清、土井健司(2014)
「歩道清掃状態が歩行者の安全性と快適性に及ぼす心理・行動的影響に関する研究」福祉のまちづくり研究 第16巻3号 2014年11月15日発行
○選考経過
 福祉のまちづくり研究(第15巻3号から第17巻1号)に掲載された14編の原著論文を対象とし、信頼性・妥当性・新規性・分野間連携等において総合的に優れた内容を有する論文として1編の論文を選定した。
○選考評
 種々の施設のハード整備については整備基準の整理等がなされ、それに基づいた施設整備が進められている。しかし、維持管理等のあり方については未だ課題が多く残されている。本論文は、様々な人々が共同利用する歩道の管理のひとつである清掃について着目し、適正な実験を企画・実施し、そのデータの分析に基づく有用な結論を導きだしている。

(2) 市民活動賞
 1)活動名:愛知TRYの活動
代表者:近藤佑次(「愛知TRY」実行委員会・実行委員長)、佐藤元紀(社会福祉法人AJU自立の家 障害者ヘルパーステーション・マイライフ刈谷・所長)、平山晶士(愛知県重度障害者の生活をよくする会・会長)
 2)活動名:地域福祉ネットワークの構築と防災教育活動の取り組み
代表者:NPO法人 FOR YOUにこにこの家
○選考経過
 2015年1月23日付け会告により募集開始し、同年3月31日に応募を締め切った。各支部長等にも推薦依頼をした。申請のあった6点を審査し、上記の2点を表彰することに決定した。
 審査のポイントは基本事項(歴史や経過・活動場所・主体・対象者や対象物・活動内容・活動方法・成果)及び、活動の特徴(主体の当事者性・活動開始と継続の経緯・具体的活動内容と実施の頻度と年数・多様な人々の連携のあるなしとその規模・活動の内容とバラエティ・活動の波及効果・他の類似活動からの優位性)であり、これらを総合的に判断した。書類審査の上、必要な所には現地調査を加え決定した。
○選考評
 1)活動名:愛知TRYの活動
 「差別をなくそう愛知から」をキャッチフレーズに、障害者差別解消法の周知及び、愛知県・名古屋市での障害者差別禁止条例制定をめざして、若手の障害当事者たちが中心となって立ち上がった団体およびその活動であり、現在も発展的継続的な活動として進められている。愛知県内各地のお店(テナント)をまわり、「お手伝いします」ステッカーを貼ってもらう活動を展開するなど、市民に障害者差別解消法の啓発や入りやすいお店を増やす取り組みを行っている。これはマスコミに数多く取り上げられ、市民の協力も広がってきている。障害者差別解消法の実施に向けた当事者自らの活動として高く評価できる。
 2)活動名:地域福祉ネットワークの構築と防災教育活動の取り組み
 仙台市太白区内の高齢者・障害者・児童・地域関係17団体と『ほっとネットin東中田』を立ち上げ、全ての人が安心して生活できる地域を目指した地域交流活動を行っている。東日本大震災以降は、仙台市と共に市民協働による地域防災推進のための「仙台発そなえゲーム」を開発し、防災教育活動も行っている。第3回国連防災世界会議のパブリック・フォームでは、「市民協働と防災」に関するシンポジウム等を行い、仙台から世界に向けて震災の教訓を発信した。福祉のまちづくりに関する市民活動であって、継続的な取り組みによってその成果が優れていると評価できる。

学会賞選考委員会
磯部友彦(委員長)、今西正義、大森宣暁、狩野徹、鎌田実、髙橋儀平(特別委員)、小山聡子(オブザーバー)

第五回(2014年度)学会賞 決定のお知らせ

2014年12月23日
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会 会員各位
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
学会長 秋山哲男

学会賞選考委員会による厳正な審査の結果、日本福祉のまちづくり学会、第五回学会賞受賞者を次のとおり決定しました。

(1) 学術賞:
学会誌に掲載の査読論文が既定の本数に達していないため、審査を見送りとした。
 (理事会にて学術賞は2-3年に1回と決定済み)

(2) 市民活動賞
申請のあった7点を審査し、次の2点を表彰することに決定した。
①「ほっとはうす」を中心とした水俣の地域づくり活動
代表者:加藤タケ子(社会福祉法人さかえの杜代表理事・ほっとはうす施設長)
②「Check A Toilet みんなで作るUDトイレマップ」
代表者:金子健二(特定非営利法人Check代表理事)

○選考経過
6人の選考委員(磯部友彦、今西正義、小山聡子、鎌田実、古瀬敏、田中直人)により、書類審査の上、必要な所には現地調査を加え決定した。

審査のポイントは基本事項(歴史や経過・活動場所・主体・対象者や対象物・活動内容・活動方法・成果)及び、活動の特徴(主体の当事者性・活動開始と継続の経緯・具体的活動内容と実施の頻度と年数・多様な人々の連携のあるなしとその規模・活動の内容とバラエティ・活動の波及効果・他の類似活動からの優位性)を総合的に判断した。

○選考評
①「ほっとはうす」を中心とした水俣の地域づくり活動
代表者:加藤タケ子(社会福祉法人さかえの杜代表理事・ほっとはうす施設長)
 1991年の水俣国際会議を契機とする胎児性・小児性水俣病患者による活動を前身として、1998年にできた共同作業所「ほっとはうす」を中心とした歴史経過を持つ活動である。共同作業所やケアホームを持つなど、障害当事者自身による当事者を対象とする活動であると同時に、水俣病という社会問題について独自のプログラムに基づいた啓発活動を行うことを通して、地域住民との交流や連携ができている。
 また、上記施設は地元山林の木材を利用するとともに、バリアフリーデザインを実現した。このように、継続期間の長さ及び当事者の主体性と地域社会への影響波及という双方向性及び物理的なバリアフリーという多面的な活動が高く評価された。
②「Check A Toilet みんなで作るUDトイレマップ」
代表者:金子健二(特定非営利法人Check代表理事)
 多様な人の外出に安心をもたらすユニバーサルなトイレの配置について、情報を共有するとともに、新たに有効なトイレが出来たり発見したりした場合に、インターネットを通じて誰でも情報提供ができ、トイレマップとしての情報が共有できるシステムを基幹とする活動である。教育機関の授業で地域情報を共有する取り組みも行っている。
 スタートは2007年からであり、比較的若い活動であるが、2014年8月には52,000件の情報を共有しており、今後も自治体や事業者、一般市民からの情報登録や更新により自動的に成長していく仕組みを持っている。GoogleマップやNAVITIME等の大手地図サービスやカーナビと連携もしており、こうしたシステム構築自体が高く評価された。

第四回(2013年度)学会賞、市民活動賞は該当なし

第三回(2012年度)学会賞 決定のお知らせ

2012年12月15日
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会 会員各位
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
学会長 高橋儀平

学会賞選考委員会による厳正な審査の結果、第三回日本福祉のまちづくり学会賞受賞者を次のとおり決定しました。

(1) 学術賞:
①代表者:澤田 有希
澤田 有希・橋本 美芽(2011)
「回復期リハビリテーション病棟に勤務する作業療法士が行う住環境整備の業務内容に関する研究」福祉のまちづくり研究 第13巻第3号
② 代表者:植田 瑞昌
植田 瑞昌・三浦 春菜・三谷 千瀬・野村 歓(2012)
「乳幼児の排便後始末に関する現状と課題~子育て層のオストメイト用汚物流しの共同利用に向けての考察~」福祉のまちづくり研究 第14巻2号

(2) 市民活動賞
①遠野市仮設住宅 希望の郷「絆」
代表者:狩野 徹(岩手県立大学)、鎌田 実(東京大学)
②お茶の水UD研究会
代表者:井上 賢治

○選考経過
6人の選考委員(秋山哲男、古瀬敏、小山聡子、磯部友彦、今西正義、清水政司)により以下の2つの賞を決定した。
(1)学術賞
選考委員会は、学会誌にこれまで掲載された査読付き論文を審査対象として審査(1位3点、2位2点、3位1点として各委員が推薦した)を行い、まず優れた上位3論文を選定した。最終的に最も多くの点数を得た上位2論文を表彰することに決定した。
(2)市民活動賞
 市民活動賞は、申請2点、委員会推薦1点を審査し、2点を表彰することに決定した。

○選考評
(1)学術賞
①代表者:澤田 有希
澤田 有希・橋本 美芽(2011)
「回復期リハビリテーション病棟に勤務する作業療法士が行う住環境整備の業務内容に関する研究」福祉のまちづくり研究 第13巻第3号
本論は作業療法士(OT)が入院から退院までの住環境整備に関して行う業務について詳細なデータを用いて丁寧な分析を行い、どの様にかかわっているかそのプロセスを詳細に示し、住環境整備のために作業療法士が中心的な役割を果たしていることを明らかにしている。つまりリ、ハ工学と建築学の立場からの住環境整備の橋渡しをする試みを行った研究として高く評価できる。
②代表者:植田 瑞昌
植田 瑞昌・三浦 春菜・三谷 千瀬・野村 歓(2012)
「乳幼児の排便後始末に関する現状と課題~子育て層のオストメイト用汚物流しの共同利用に向けての考察~」福祉のまちづくり研究 第14巻2号
昨今の社会的状況を見ると、駅や建築物の車いす使用者用トイレは、車いす使用者などの障害者だけでなく、高齢者、子ども連れなどによる利用も増えている。そのために、トイレの利用において誰を優先するか、どの様に造るかなどの議論がある。しかしその実態はこれまで必ずしも十分把握されていなかった。
本論文では、子育て層の外出時利用のトイレに焦点を当て、排便の後始末についてアンケート調査から明らかにし、その設備として使えるオストメイト用汚物流し利用の可能性を明らかにし、多機能トイレが抱えている難題、つまり多様な利用者が集中することに対する優先順位の設定、そしてさまざまな設備の整備の方向性を示している。

(2) 市民活動賞
①遠野市仮設住宅 希望の郷「絆」
代表者:狩野 徹(岩手県立大学)、鎌田 実(東京大学)
市民活動という部分はやや弱いが、産官学共同による社会活動という視点が評価できる。この仮設住宅ができたのは、第一に、遠野市が震災前から後方支援を準備していたことによる。第二に、大学の研究者が災害に対して何か支援できないかという思いを実現するために5月に訪問し、その意思を市に提案した。さらに東京大学建築学科の計画・設計提案と岩手県立大学の被災地住宅についての細かな調査の知見が総合され、仮設住宅が実現した。
つまり、複数セクターの連携があり、地元木材の利用が考慮され、バリアフリーとコミュニティ形成の両方を視野に入れるなど、まさに福祉のまちづくりの先進的な試みを行ったことが高く評価される。
② お茶の水UD研究会
代表者:井上 賢治
ユニバーサルデザインの研究会を何年にもわたって継続的に開催し、ユニバーサルデザインの普及などに努めているだけでなく、井上眼科・柏瀬眼科などの具体的な設計においてもユニバーサルデザインの実践を試みていることが高く評価される。
なお、井上賢治・間瀬樹省・桑畑謙(福祉のまちづくり研究 第13巻2号)「ロービジョン者に配慮したクリニックのサイン計画―ユニバーサルデザインの考え方」は今回、論文賞の候補となったが、この論文も含め市民活動として評価することにした。

○震災復興活動支援事業報告会・理事会時(2013年3月18日)での授賞式

■学術賞
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澤田有希会員と髙橋儀平会長

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植田端昌会員と髙橋儀平会長

■市民活動賞
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希望の郷「絆」:鎌田実会員と髙橋儀平会長

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希望の郷「絆」:狩野徹会員

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お茶の水UD研究会:井上賢治会員と髙橋儀平会長

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全受賞者と髙橋儀平会長、秋山哲男学会賞選考委員長

●第二回(2011年度)学会賞 決定のお知らせ

2012年1月11日
一般社団法人 日本福祉のまちづくり学会
学会長 髙橋 儀平

学会賞選考委員会による厳正なる審査の結果、第二回日本福祉のまちづくり学会の学会賞受賞者を次の通り決定しました。

(1)学術賞:
代表者 山岡俊一
山岡俊一、坂本淳、磯部友彦(2010)「相対的重要度と経済的価値を考慮した鉄道駅における昇降機設置の評価」『福祉のまちづくり研究』Vol.12 No.1/2 p1-p10

○学会賞授賞式

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(2)市民活動賞:該当無し

○選考経過
(1)学術賞:
選考委員会は、個別応募の論文・成果2件、そして学会誌にこれまで掲載された査読付き論文を審査の対象として審査を行いました。
個別応募論文・成果と学会誌掲載論文について、優先順位(1位3点、2位2点、3位1点)をつけて、それぞれ上位3論文までを各審査員が選ぶこととしました。最終的に、多くの点数を得た論文1編を表彰することに決定しました。

(1)市民活動賞:
推薦された2つの活動業績につき、市民活動としてどう評価するかについての議論を踏まえて検討した結果、該当無し、と決定しました。

○選考評
(1) 学術賞:
代表者 山岡俊一
山岡俊一、坂本淳、磯部友彦(2010)「相対的重要度と経済的価値を考慮した鉄道駅における昇降機設置の評価」『福祉のまちづくり研究』Vol.12 No.1/2 p1-p10
市民の暮らしの基本を支える交通インフラストラクチャを使えるようにするという意思表明が交通バリアフリー法(現・バリアフリー法)であるが、その具体的な現れの一つが駅での昇降装置設置になる。しかし、現実問題としては予算などとの兼ね合いもあり、どの駅から優先的に設置していくかも考えねばならない。
この論文は、広島県下のJR駅を対象として、住民によるエレベーター、エスカレーター設置の要望と、そのために各人がどれほどの負担をする用意があるかを、アンケート調査によって検討したものである。単に欲しいという願望だけでなく、その設置のためにはどの程度まで経済的な負担をしてもいいと人々が考えているかを定量的に示したものであり、問題へのアプローチ、手法、そして考察に至るまで的確にまとめられていて、高く評価できる論文と認められる。

(2)市民活動賞:賞を創設した趣旨に照らして、今年度は該当無しと決定した

●第一回(2010年度)学会賞 決定のお知らせ

2011年2月1日
日本福祉のまちづくり学会
学会長 髙橋 儀平

学会賞選考委員会による厳正なる審査の結果、第一回日本福祉のまちづくり学会の学会賞受賞者を次の通り決定しました。

(1)学術賞:
代表者 江守央
江守央、伊澤岬、横山哲、駒林秀明(2006)「交通バリアフリー法基本構想策定後の継続的な市民参加のまちづくりに関する考察」『福祉のまちづくり研究』Vol.8 No.1 p31-37

(選考評)
市民の暮らしの基本を支える交通インフラストラクチャのありようを根本的に変えようという意思表明が交通バリアフリー法であるが、その仕組みに基づいて主要な交通結節点を中心としたバリアフリー基本構想が作成されても、果たしてそれが期待どおりに実現されていくかどうかは定かではない。
この論文では筆者らが構想作成に関与した自治体における継続的な活動を通じて、基本構想に描かれた姿が着実に実現されるための市民運動のあり方を提言しており、他の自治体での運動の参考になること多大である。問題へのアプローチ、手法、そして成果の表現に至るまで的確にまとめられており、本学会設立の基本理念である当事者参加の実例を示したものとして高く評価できる論文と認められる。

(2)市民活動賞:
わがやネット(児玉道子)
家具類の転倒防止対策推進のための実践的、方法論的研究-災害時要援護者へのボランティア活動「かぐてんぼう隊」運動の拡大に向けて-

(選考評)
本学会設立の直接的なきっかけは、阪神淡路大震災において障害者や高齢者が「災害弱者(=災害時要援護者)」であることを強く意識させられたことにある。この問題を解決するのは容易ではないが、まず手をつけるべきことがいくつかある。その一つが地震による直接的な被害を軽減することで、それには住宅自体の耐震性能を向上させることが第一だが、住宅がつぶれなくてもそれでことが済むわけではない。住宅そのものは無事でも、十分な地震対策を行っていない家具が倒れてきてその下敷きとなって死傷する場合もあり、そうでなくても家具が転倒することで足の踏み場もない自宅から一時的にせよ避難所に移行せざるを得ないことも起きる。しかしながら、住まい手側にこの視点での問題意識は高いとは言いがたい。
今回市民活動賞に応募があった「わがやネット」では、それらの問題意識を踏まえ、災害時要援護者の住宅における家具の転倒防止に的を絞り、ボランティア活動として家具の固定を積極的に行っている。その数年にわたる活動内容と実績、また学生を巻き込んだ活動形態など、大きな組織に依らずとも市民として具体的に何ができるかのひとつの例を示したものとして高く評価できる。